読書

『現代』(六月号)

・『諸君!』か『中央公論』か『文藝春秋』か『現代』のうち、どれか一冊を毎月買っている自分に気がついたGWの中日。人間はこうやって保守化の道を歩いていくのねと、我が身を振り返る三十一歳独身。このGW、酒ばっか飲んでるです。ううう。 ・「反日「…

読了本

・矢作俊彦『真夜中へもう一歩』(光文社) ・二村シリーズ第二弾。アマゾンで四千円で落札しました。凝った展開で全体像が掴めず再読を強いられるのはいつものこと。もう一回読まなきゃな。 ・『リンゴォ・キッドの休日』が五月に角川で文庫化される予定で…

読了本

・佐藤優『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社) ・やっぱ「民度」って上げなきゃいけないのね。 ・「民度を上げろ」という話を宮台真司あたりが言い出した頃、その言葉にエリート意識というか選民思想のようなものを感じ取って、強い違和感…

読了本

・福田和也『イデオロギーズ』(新潮社) ・福田和也『スーパーダイアローグ』(リトルモア) ・『イデオロギーズ』は、とにかく悪文。書き手の生理としてスタイルにまできちんと昇華している、という話なら良いものの、濫作の結果、文体が乱れたという気配…

『DEATH NOTE』

・「DEATH NOTE」大場 つぐみ著・小畑 健イラスト(ジャンプコミックス) ・一巻から五巻まで読了。一気読みってやつだ。大人買いともいうな。 ・細かく読むと矛盾があるんだろうか。いや、ノートの使い方が徐々に細かくなっていっているからそんな気がする…

吾妻ひでお『失踪日記』(イースト・プレス)

・読了しました。 ・以前大塚英志が、「文学的」と評されることの多いつげ義春の漫画について、そこに作家の重たい実存などを読み込むべきではない、みたいなことを言っていた覚えがある。『無能の人』なんかの「世捨て人」的な「キャラクター」は、技術的に…

辻井喬『父の肖像』(新潮社)

・というわけで「コクド」である。タイムリーにも野間文芸賞も受賞したし、ワイドショーなんかでこの本が取り上げられることもあるかと思ったら、猪瀬直樹(『ミカドの肖像』の著者)の大活躍で終始してますな。まあ虚実が相容れた形で描かれているから仕方…

北田暁大『嗤う日本の「ナショナリズム」』(NHK出版)

・「笑い」を支える「お約束」を『オレたちひょうきん族』が破壊した後、「芸」がないにもかかわらず「タレント」になった「タレント」(いや、「芸」がないからこそ「タレント」になった「タレント」)がテレビ番組を跋扈するようになった。 ・結果、「番組…

読了本

・大澤真幸『現実の向こう』(春秋社) ・「現実」の対立項となる語が、「理想」、「虚構」となって、今度は「不可能」になると予言する書。大澤は最近ずっと、「多重人格」者のパーソナリティ(という語が適切だとは思わないが)に着目していたけど、「多重…

松浦寿輝『そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所』(新潮社)

・祝・読売文学賞受賞(『半島』にて)! ・去年は三冊も小説集を出してたことになるのね。詩の注釈的言説によって一編の小説を編む、というのはナボコフがオリジナルだったと思うが、松浦のもなかなかよろしいです。 そこでゆっくりと死んでいきたい気持を…

読了本

・鈴木邦男『公安警察の手口』(ちくま新書) ・亀山郁夫『ドストエフスキー 父殺しの文学』上・下(NHKブックス) ・安部公房『砂の女』(新潮文庫) ・谷崎潤一郎『春琴抄』(新潮文庫) ・宮台真司・奥平康弘『憲法対論』(平凡社新書)再読が多いね。

読了本

・大澤真幸『帝国的ナショナリズム―日本とアメリカの変容』(青土社) ・法月綸太郎『生首に聞いてみろ』(角川書店)他にも読んだ気がするが、忘れた。

・福田和也・坪内祐三『暴論 これでいいのだ!』(扶桑社)

『袋小路の休日』

・小林信彦の代表作。講談社文芸文庫の目の付け所のよさが光る新刊。 ・主人公は雑誌の雑誌やテレビの脚本などの執筆を生業としている、いまでいうところの「フリー・ライター」。この小説が書かれた時代にはそういう仕事はありえなかったそうだが、にもかか…

 読了本

・田中貴子『性愛の日本中世』(ちくま学芸文庫) ・内田樹『他者と死者―ラカンによるレヴィナス』(海鳥社) ・内田樹『寝ながら学べる構造主義』(文春新書) ・短くコメント ・『性愛と日本中世』は発表媒体を異にする(『別冊宝島』から『岩波講座』まで…

『アフターダーク』

・この程度の長さの村上春樹の小説って久し振りですね。 ・深夜の渋谷を舞台として、現代的な若者の姿と禍々しい暴力をパラレルに描いている。二つの世界が何か論理的な関係で結ばれることは決してなく、読者の目前にただ放り出されている、そういう読了感を…

今後読まなければならない本。

・綾辻行人『暗黒館の殺人』上・下(講談社) ・菊地成孔+大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校―【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史』(河出書房) ・矢作俊彦『ロング・グッドバイ』(角川書店) ・お金が・・・・。

読了本

・浅羽通明『ナショナリズム』(ちくま新書) ・村上春樹『アフターダーク』(講談社)

読了本

・そんな中、本は読んでます。 ・内田樹『期間限定の思想―「おじさん」的思考〈2〉』(晶文社) ・パオロ・マッツァリーノ『反社会学講座』(イースト・プレス) ・内田樹は、なんというか、自分の社会的な立ち位置、というものにおいて、今一番影響を受けて…

読了本

・菊地成孔『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール−世界の9年間と、 新宿コマ劇場裏の6日間−』について感想を書いてなかった。 ・菊地がUAのバック・バンドで青山のブルーノートに出演した際、料理が給される前に店員にスノッブをかましまくった様子を…

『嵐が丘』

気付いたことを断片的に。 ・ 語り手が女中、というのはやはりナイス・アイデアですね。を囲い込む境界線のウチとソトの両方に足を突っ込んでいるという両義的な存在であることが、あの魅力的な語りを可能にした、というのは間違いありますまい。 ・ の存在…

『嵐が丘』を読むまで

・ 水村美苗の『本格小説』を読み終えたとき、これは、ここ十年ほどの日本文学の最高峰に位置する傑作だと、確信したのでした。そのときの僕の精神状態がとても不安定だったということが幾分かは影響していたと思うのですが、『本格小説』は文字通り寝食を忘…

松浦寿輝『半島』

・その人物が「主人公」であるならば当然のこととして持っているはずの事象(もしくは、最終的には獲得することになるはずの事象)、たとえば、外の世界に向けての何らかの主張だとか、どこへ自分は進んでゆくべきかを決断する力だとかといった、つまりは「…

最近読んだ本

ネルソン・ジョージ「ヒップホップ・アメリカ」(ロッキング・オン)。なんでヒップホップのブラザーが銃殺されたりする事件って時々起きるんだろう?、という素朴な疑問でこの本は買ったのだった。 その疑問にこの本を通じて答が見い出せたか、っていうとそ…

で、読んだ本

加治将一『アントニオ猪木の謎』(新潮社)『新潮45』の連載第一回でちょこっと読んで、まあ単行本に纏まったら読んでみようかなとぼんやりと考えていたんだけど、うん。これは面白かった。 この本で説明として用いられている図式、「内なる猪木」と「外な…