2004-08-13から1日間の記事一覧

『嵐が丘』

気付いたことを断片的に。 ・ 語り手が女中、というのはやはりナイス・アイデアですね。を囲い込む境界線のウチとソトの両方に足を突っ込んでいるという両義的な存在であることが、あの魅力的な語りを可能にした、というのは間違いありますまい。 ・ の存在…

『嵐が丘』を読むまで

・ 水村美苗の『本格小説』を読み終えたとき、これは、ここ十年ほどの日本文学の最高峰に位置する傑作だと、確信したのでした。そのときの僕の精神状態がとても不安定だったということが幾分かは影響していたと思うのですが、『本格小説』は文字通り寝食を忘…

これから書くこと

・是枝裕和 『誰も知らない』について。 この映画監督って、カメラが必然として持たざるを得ない媒介性がとっても嫌いなんだなあ。つくづくそう思った。デビュー映画で持った違和感と同じ感想を持ったんだから、これはこれで凄い。 ・読了本 G・ガルシア・…