読書メモ。
■最近読んだ本。
■「権威」と「権力」が切り離された日本社会。ってな言い方があって、昔、ずっとコレが何を言い表しているのか分からなかったんだな。そうか、「権威」は天皇制で、「権力」は実際に政治を担っているシステム(今だったら政府)ってことか。って理解したのは、そこそこのお年頃になってから。そっから逆算的にフーコーの「パワー」(=「権力」)と「オーソリティー」(=「機能としての作者」)のハナシが見えてきたりして。倒錯も甚だしい限りですよ。フーコーだから「倒錯」って言葉を使うわけじゃないけど。
■だけれども。中世の頃は「寺社勢力」もまた、このパワー・バランスに絡まっているということを随分学ばせてもらいました。いや、そういうことなんだろうな、ってハナシは知ってはいた。だけれども、「寺社勢力」がどのような力を実際に担っていたのか、というのは皆目検討がつかなかったんだよね。コレを通じて、漠然とではあるがイメージできたというわけです。一点だけ残念なところを挙げれば、個々のエピソードは面白いんだけど、通時的な流れがちょっと見えにくい点かな。
■いきなり中国の話に飛ぶんだけど、清王朝が崩壊してから国民党支配になって、でも中国は軍閥が群雄割拠していて…ってなハナシもこれまたイメージが湧かなかったんですよ。これはホント、これまで湧かなかったって感じで。そうか。ある強力な「権力」のシステムが、軍事的暴力を一元的に管理できない状態と考えれば良いのかって、この本読んで腑に落ちた感じ。
- 作者: 伊藤正敏
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/08/01
- メディア: 新書
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