「ルースターズ・ア・ゴーゴー」


・久しぶりに復活するです。


・僕が一番好きなビートルズのアルバムは「ウィズ・ザ・ビートルズ」である。特に目立った曲もないし、ファースト同様カヴァー曲が半分を占めていて、なんというか、ファーストの勢いだけで製作された感じが濃厚な作品だ。特に世評に高い、というわけでもない。


・バンドの持っている勢いや熱気だけを前面に打ち出してアルバムを製作するというのは、今日の価値観からすれば褒められたものではない。だが、「ウィズ・ザ・ビートルズ」というレコードにあるのは、それがみごとに方法論へと昇華された奇跡である。ビートルズの初期にあるダンス・フロア感をストーンズは持ち合わせていなかったと看破したのは福田和也だったが、まさにハコバン的な熱気を最もリアルに記録できたアルバムであると思うのだ。


・セカンド・アルバム繋がりというわけではないのだが、ここにあるのもそれと同じ奇跡である。「ルースターズ・ア・ゴーゴー」は、デビューしたてのルースターズの熱気や勢いが最高潮に達したアルバムだ。事実、この後ルースターズは実験的要素を強めてゆき、誰も踏み込んだことのない高みへと一歩ずつ近づいていったのだった。


・「フェイド・アウェイ」や「ディスサディスファクション」といった曲のBPMが、とにかくすさまじい。一度ギターでコピーした際にカッティングがちっとも追いつかず、そのスピードに唖然としたものだ。だが、どしりとした重みもしっかりと備わっている。ドタバタとしているようには決して聴こえないのである。井上&池畑という日本ロック史上最強のリズム隊があってこそのことだろう。一曲目の「ワイプ・アウト」。池畑のシンバルの粒の際立ち方といったら!



a‐GO GO

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