加藤陽子満州事変から日中戦争へ』(岩波新書


■難しかったお(その2)。


■と言うわけで、長らく積読状態だったこの本を消化しました。かなり緻密な議論なんで、「ちょっと日本史の復習でも」って感じには不向きな一冊ではある。


■後の「歴史」が「侵略」と位置づける諸事態について、軍や政府や外務省はどのように条約を解釈して、それを正当化しようとしていたか。このあたりの議論は、ホントにスリリング。『戦争の日本近現代史』の内容と重なるといえば重なっているんだが、加藤陽子女史の真骨頂といえましょう。同じシリーズの一冊、成田龍一大正デモクラシー』が、期待に反して凡庸に過ぎる歴史記述に終始していたのに比べれば、断然こっちの方が好ましい。