懐かしの90年代(14)

■最近デートらしいデートをしていない。


■まあ仕事が忙しい、というところもあるのですが、女子と会ってもお酒を飲むばかりなのでございます。休みの日の昼間は、グダグダと二時間ドラマの再放送を観てしまい、ふと気付いたら夕方と、そんなんばっか。こんな腐った大人だけにはなりたくない、という大人にふと気付いたらなっていた、という自身を省みて胸にうずく痛切な苦味。来年は三十五歳だよ。


■そうした苦味を舌で弄びながら、退屈な日常をやり過ごすことというのは、ひとの「成熟」の一つのあり方なのかもしれない…ダメダメ!まだまだ枯れたくないんだよ!ちゃんと昼間からデートしたいんだよ!でも、昼間のデートってどこに行けば良いのかな?しばらくしていないから分からないや。ショッピング?映画館?水族館?うーん。どれも新鮮味がないなあ。オイラが今まで昼間に女子としていないことって何だろう?…そうだ!カラオケだ!昼間からカラオケでデートってちょっと新鮮かも!!


■もっと細部をイメージしよう!相手は同世代で帰国子女(高校時代までアメリカ)が良い!「今日?あ、美術館行きたいかなあ」とか高慢ちきなこと言う彼女を、無理矢理カラオケボックスに連れ込むんだ!「え〜、カラオケってちょっと…」とか愚図る彼女の口元に、まんざらでもなさそうな微笑が漂っているのをオイラは見逃さないぞ!ぐへへへ。


■「カラオケはそんなに行ったことないんですよね。会社でですか?ボスが結構好きだから、会社の飲みの二次会で何度か行ったことあるかな…」ボスって何だよ!石原裕次郎かよ!って心の中で突っ込むオイラ。そんなオイラにお構いなしに、「あ、この曲、昔好きだったんですよね〜」とか言いながら彼女に選んで欲しいのはこの三曲だよ!そんな展開になったらマジで悶え死にそう!って言うか、脳内の妄想だけでオイラはもう死にそうだよ!