細山君を救え!

・グルメ番組でメシ食ってるタレントの一群がいるだろう。石塚とか、彦磨呂とか、最近だとギャル曽根とか細山君とかあのあたり。オイラ、連中を観ていると売春婦を思い出す。


・だってさ。モノ食うのって人間の本能に位置する行為じゃん。それを仕事にしているという点で売春婦と重なるわけだが、さらに掘り下げてどういうことが言えるかというと、「本能」を仕事としている以上、連中の仕事ってのは「誰もができる仕事」、ということになる。すなわち、他者との「交換不可能性」がない仕事であるわけだ。そうした仕事は、「レスペクト」を決して受けることがない(BY内田樹)。そうした深い点においても、売春婦と重なるわけなんだな。


・いや、ギャル曽根とか食う量とかハンパじゃないから、彼女なんかに関しては「交換不可能性」が担保されている、と言うこともできる。でもね、風俗嬢に説教垂れるオヤジよろしく、いやアンタ、そんな仕事いつまでもできないだろう、もっと自分を大切にしたほうが良いよ、ってついつい思っちゃうわけですよ。まあ心の奥底では、ギャル曽根がどうなっても構わないんだけど。


・あとさ、彦磨呂の太り方とかヤバ過ぎだよな。なんつうか、人権侵害だよ、あれ。糖尿とか内臓疾患になっても労災降りるわけじゃなかろうて。見ていてホント痛々しい。「闇金ウシジマくん」で言えば、新宿の風俗店辞めて沖縄のちょんの間で仕事し始めるみたいな、レッドゾーン一歩手前ってところだろう、あれ。


・でも一番気になるのは細山君な。売春婦とのアナロジーをさらに続けると、最近、小中学生の女子児童にTバック穿かせたDVDが年数百万本売れているらしいが(『週刊文春』に載っていた)、彼のことは、そういうのに出させられている女子児童と重ねて考えるべきじゃないか。ちなみに彼女たち小中学生セクシータレントは、ステージママを勤めている母親に、無理矢理出させられているケースもあるんだってさ。恥ずかしさのあまりに泣いている娘を、母親が無理矢理カメラの前に連れ出すそうな。ニッポン、本気で狂っているよ。マジヤバイ。


・細山君もそんなところじゃなかろうか。


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「はいカット!じゃあ次の現場に移ります!次のお店では1・5キロのカレーをお願いします!」とスタッフ。ロースカツが三枚乗ったジャンボカツ丼を平らげて、「もう吐きそうだよ!もうおうちに帰りたい!」と涙目になりながら、声を張り上げる細山君。ズボンはもう、今にもはちきれそうになっている。そこへつかつかと細山君に詰め寄る細山君ママ。でもママは、細山君を優しく励ますような言葉を掛けたりはしないんだ。ママの声は、怒気によってはっきりと震えていた。「アンタ甘ったれたこと言うんじゃないの!ギャル曽根ちゃんを見てごらん!ちっとも泣き言言わないで頑張っているじゃない!そういうこと言って、スタッフの方とか、他のタレントさんの方のやる気を殺ぐってのが、まだ分からないの!いい加減プロ意識を持って仕事してちょうだいよ!」。そう、ママはすっかり忘れてしまっている。細山君が、「プロ」なんかじゃなくてまだ「子供」だっていうことを。二人の様子を見て、ギャル曽根ちゃんがちょっと困った表情になっているのに気づいたのか、ママは一転して卑屈な態度になった。「す、すいませんみなさん、こんなワガママで・・・」ペコペコと頭を下げるママを見て、細山君は、ちょっと悪いことをした気になったんだ。いつもいつも頑張ってくれているのに、僕のせいでママに迷惑をかけちゃった。「ご、ごめんママ・・・」「私はいいの!皆さんにあやまりなさい!」「す、すいませんでした、皆さん・・・」


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・いかんいかん!週間文春!結局Tバック穿いた女子小中学生を取り上げるのって、人権意識からじゃなく、オヤジの劣情のためじゃないのか?ジャーナリズムとしての本懐を示すためにもだな、ここはぜひ、細山君も取り上げるべきだ!大人になればな、メシ食ってメシ食えるなんて人生はないんだよ!タコですらな、タコの足食って生きているわけじゃないんだよ!今のままじゃあ、細山君はどんどんスポイルされちゃうよ!このままじゃあ、細山君、ロクな大人にならない。うんそうだ。細山君を救え!


・と。「仕事うぜえ。酒飲んで給料もらえる仕事ねえかな。でもホストは絶対無理だし」と考え、いま、「たいこもち」の伝記を読んでいるオイラが吼えてみました。