DCPRG@渋谷ONAIR−EAST

DCPRGのライブに行って来たよ。


・渋谷の讃岐うどん屋でうどんすすっていたら、デューク更家が来店してきた。という微妙に過ぎる遭遇を果たしてから、EASTに到着。七時きっかりに客席のライトが落ちて、やたらにオンタイムに始まるんだな、って思ったらオープニングアクトがブンブンブランコ(ラテンパーカッションを叩くアイドルユニット)っていうのに思いっきり苦笑。彼女たち、ミュージックチャンプとかに出ていなかったか?DCPRGが出世したというより、彼女たちが凄い勢いで下落したってことだよな?


・話はちょっと飛ぶ。ちょっと前にニュースになった、娘。のライブで重傷者が出た。という話を耳にして、僕はすごく興奮したのでした。だってさあ。ストーンズのオルモントの悲劇とか野音ラフィン・ノーズみたいじゃん!(←古いな)。失われしロックの暴力性は、娘。しか今は体現できていないということか、と思わずにはいられなかったのです。やはり娘。は一度観ておくべきであろう、と心に決めていた僕なのですが。


・いやさ。でもやはり、娘。ではなかったのだけれど、18、9歳の娘さんが露出度の高い衣装着て踊っている姿というのは、ちょっと観ていてキツイな、と考えを改めましたよ。なんかこっちが恥ずかしくなるですよ。ラテン・パーカッション叩くアイドルっていうより、ノイズギター鳴らすアイドルって方がコンセプトとして面白くないかあ?、とか、腰骨のあたりの露出具合が裸体のイメージさせる力に長けていて、ああこりゃ計算され尽された衣装ですな(←しっかり観てるね・笑)、とか、妙に分析的に、欲情するでもなく、フーンと観ていたのでした。バーにいたカンパリのキャンペーンのお姉さんのほうが(以下略)。


・しかしラテンパーカッション叩くなら、ちっとはシンコペートさせろよな。来場していたキップ・ハンラハンはちゃんとアドヴァイスを与えたのだろうか(笑)。


・で、デートコース。『アメリカ』はマイルス度がやたらアップしていて、目指している地点に今までで一番達したアルバムだな、と思ったんだけど、逆にその分だけ、ライブだとアゲアゲな感じで踊れないんじゃないかな、という不安をちょっと抱いていたのですが、いやはや杞憂でした。


・一曲目は「ジャングル・クルーズにうってつけの日」。リズム部隊の打ち出す実に複雑な、それでいてタイトで荒々しいリズムの上に不穏なトランペットの音が乗っかり、成タンのオルガンの刻みと不協気味の和音が、その不穏さを一層煽り立てる。決してアゲていく感じの音ではないはずなのに、はじめは突っ立って観ていた客が少しずつ体を横にスイングさせて、最後には大きな波を描いていた。


・で、なんかさ、そのフロアの熱が異様に殺気立っている感じだったんだよね。このバンドのライブも随分と観てきたけど、こういうのは今までに一度もなかったと思う。ヤバいトランスの儀式に足を踏み込んだような、と言えば良いのかな。僕のちょっと前にいた女の子が開始早々マジで失神しちゃったんだけど、踊り過ぎて、っていうより絶対にあれは音にアテられちゃったんだと思う。その女の子は可哀想だったけど、素晴らし過ぎる展開だと、僕の興奮のヴォルテージは一気に上がったのでした。


・他の新作からの曲、たとえば「ワシントンDC」も「フォックス・トロット」もそんな感じだった。実に熱のこもった演奏で、アルバムよりノリやすくアレンジの変更が加えられていた感じで、数段カッコ良いのでした。で、「ハノイ」と「ススト」というファーストからの定番も入れて、最後は「花旗」でチルアウト。しめて二時間半。ホント、いつものことなんだけど、日常の時間をすべて忘れさせてもらいました。


・アンコール待ちの間、ゴッセキーのテナーと成タンのキーボート技術が、観始めた頃とは雲泥の差だよな。なーんて感慨に耽っていたら、アンコール前に突然の解散宣言。ホント、残念に過ぎるんだけど、まあ、確か2003年まで活動する限定ユニットだったはずだし(それが成タンの病気で活動が伸びたんだよね)、今日のテンションを見せられたらしぶしぶの納得ではあるかな。もうさ、これ以上続けていくと、日常生活がやたらと退屈に感じられるようになって、全てを捨ててしまいそうだもんね。観ているほうとしては。そしておそらく、演奏している方としても。


・最後の楽器持ち替えの「ヘイ・ジョー」については、ノーコメント(笑)。