今年のワースト3(書籍編)
①京極夏彦『邪魅の雫』
はい堂々の一位です。ボリュームがあればあるほど不満が募る最近の京極堂。ページの多さが肝であるだけに、この悪循環は致命的だと思います。ちなみにですが、今回こそは挽回してくれているはず、って期待してもやっぱり裏切られ、でも次が出たらまた買っちゃう、というこのサイクルを繰り返しているのは個人的にはもう一人、村上春樹がいます。だめんずウオーカー状態(苦笑)。
②マイク・モラスキー『戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ』
・サントリー学芸賞?!あまりジャズを知らない評論家のチェンチェイ達(←なぜか田中康夫口調・笑)が、まんまと騙されたって感じじゃないのお。と語尾まで田中康夫っぽくしてみたが、いや、なんかさ。大学生のレポートみたいな内容の薄さなんだよね。大筋としてあらかじめ想像されるラインを一歩も踏み出していない、というかさ。変に律儀で生真面目でさ。ジャズ喫茶批判とかさ、まあ誰もが思いつく批判の言葉でしょ?あれって。
・「ジャズ喫茶」とは他者とのコミュニカティブな繋がりを絶つ形で音楽視聴する空間である(そこにはジャズの肝であるインタープレイがない)。・・・そうかあ?オイラ、ジャズ喫茶にたまに行くけど、リクエストする時には、オイラの前に流れているLPの次としては何が良いかなあって感じで、割とDJ感覚でリクエストしているよ。それはアンタの個人的なやり方だ、って言われるかもしれないけどさ、変に常識論を述べるより、逆説的な話にしないと読んでいる方としては面白くないわけよ。
・ってな感じでね、斬新な視点にあまりに欠けるのですよ。タイトルを見て過剰な期待を寄せ過ぎた、というのもあるだろうけど。そんな詳しいわけじゃないけど、最近のポピュラー・ミュージック研究はもっと先を進んでいるんじゃないか?
小森先生・・・。
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- 作者: マイクモラスキー,Michael S. Molasky
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