『麦の穂をゆらす風』を観てきたよ。

・重いな。

アイルランドの独立とその後の内戦を描いた映画。主人公とその兄がともにアイルランドの独立を目指してイギリスとの戦いにコミットするのだが、後に内乱に突入すると二人は敵味方に別れて・・・、というお話。ただ、映画の中では、二人が兄弟という点にそれほどウエイトが置かれていない感じがした。別に兄弟じゃなくても良いんじゃね?って感じで話が進行してしまうので、敵味方に分かれたことの悲痛さがさほど強く打ち出されていなくて、そこが気になった。

・目的は手段を浄化するか。すなわち、理念を現実化させていこうとする中で血によって汚された手とは、理念の高尚さによって浄化されるのか。「闘争」に常に付きまとうこの問いを、真摯に描いている。また、「目的」がどんどんと一人歩きすることで、暴力の連鎖が生じるありようというのも丁寧に描かれていて、現代社会に対する言及性の強さも感じさせる。

・ただ、ま、何と言うか、テーマゆえに仕方がないのかもしれないのけど、映画として「生真面目」に過ぎるんだよな。イギリス映画に割とありがち、って、一般化しちゃいけないのかもしれないけど。