『意味がなければスイングはない』の続き


村上春樹スガシカオが好きなのでした。この本でも一章が割かれていたのでした。村上春樹って、マスで受けてるアーティストには一定の距離をとったリスニング生活を送っていると思いきや、意外や意外って感じかもですね。いや、僕も好きなんですよ、スガシカオ。「Jポップ」とカテゴライズされる中では、UAとスガシカオは例外的に聴いてます。


・意外、と言ったけど、つらつら思い返してみると、村上春樹の何かの小説でスガシカオの音楽が流れている場面があった気もする。『アフターダーク』だったっけな?どんな場面だったかは忘れましたが。


・『意味がなければスイングはない』の中のスガシカオ評価は、ごつごつとした歌詞に魅力がある。みたいな言い方だったと思うんだが、いや、スガシカオ村上春樹の言語感覚のシンクロって、もうちょっと別のところにあるんじゃないかと思う。べたべたとまとわりつく粘液的なものに対する執着と言えばよいのか、クローネンバーグ的、もしくはデヴィッド・リンチ的想像力といえば良いのか、もっと言っちゃうと歪んだセックス観ってことになるんだが、このへんは結構二人の世界はパラレルなのではないかと思うのです。


・ただスガシカオのその辺の歌詞世界については、村上春樹は一切触れていないのでした。非情にわかりやすい抑圧がそこに感受されるわけだが、まあそれだけの思いつきの話です。