奥泉光『モーダルな事象』(文芸春秋社)
・いや何だかな。この人はスランプというか、新機軸を打ち出すべき時がもうとっくにやって来ているのに、それを先送りにし続けている気がする。
・ここしばらく続けている、ミステリという枠内で小説を書くのはまあ大目に見よう。だがしかし、幻想場面にしろイメージにしろ小技にしろ、詳しくは言及しないが、昔の小説からの使い回しに過ぎはしないか。
・饒舌に走った文体が、まあ新鮮であると言えば新鮮ではあるが、はしゃぎ過ぎの印象しかない。無駄に小説を長くするのに貢献しているだけとしか思えないのである。
- 作者: 奥泉光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/10
- メディア: 単行本
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