ブルートニック!


ルースターズ井上富雄、元・オリジナル・ラブキハラ龍太郎、現スカパラの冷牟田・・・。いや、豪華なメンバーですわ。スタジオ録音最後のアルバム「ガッツ・フォー・ラブ」聴いたとき、それ洗練っぷりにびっくりしたものでした。もう十五年くらい前の話だけど。「ガッツ・フォー・ラブ」、もう手に入んないけど。


・だがしかしこのバンド、ボーカルと歌詞と演奏がイマイチなんだよね。時代の違いだから今聴くと仕方ない、なんてものじゃなく、活動期からそんなバンドだったのである。実際、解散の原因も、井上の求める音にメンバーが技術的に追いつけなかったとか、そんなのだった覚えがある。それじゃあいいところ、何も残んないじゃーん!ってなことになりそうなのだが、いやいや、それを差し引いてもソング・ライティングのセンスの高さがオツリたっぷりなのである。


・初期オリジナル・ラブは明らかにこのバンドの影響を受けている・・っつーか、キハラがメンバーだったし、井上もオリジナルラブの二枚目『結晶』まで、サポートでベースを弾いていたのでした。あの頃のオリジナル・ラブのグルーヴ感のすさまじさは、井上の存在が大きかったんだよね。話が飛ぶけど、「結晶」って傑作だよね。今でも聴けるんだよね。


・んで、この「ブルートニック・コンプリート」。「コンプリート」と銘打っておきながら全曲集じゃないし(二枚組だったら全曲集が可能だったと思うんだが)、「シャドウ・オヴ・ユア・スマイル」のような名曲が抜けているのはどうなのか? って感じなんだが、まあリマスターでブルー・トニック聴けるというのは、ここしばらくの「ルースターズ再評価」で、裏ベスト的な大きな収穫だとは思います。ちなみに、短めのライナーの執筆者は増井修(笑)。あと、リンクはついでに「結晶」も挟みまする。「結晶」のアルバム・デザインって、ほとんどブルー・ノートのパクリで、レア・グルーヴの時代(恥)のにおいが蘇りまくりですな。


Complete the blue tonic

Complete the blue tonic


結晶 SOUL LIBERATION

結晶 SOUL LIBERATION