ケイ赤城@横浜ドルフィー(八月十日)

・ロックには飽きた。

・なので、毎年夏に来日する赤城ケイのライブに行ってきました。これで五回目くらいになるのかな?これまではピットインとかボディ&ソウルなど都内で観てきたので、ドルフィーで観るのは初めてのことでした。

プログレのような(←この捉え方は絶対に間違っているように思うのだが)難曲が大半を占めていて、聞いている方としてはそのテンションの高さゆえ本編が終わった後どっと疲れてしまうのだが、アンコールで演奏されるバップ・チューンで緊張感が解けて何かホッとする。

・という展開が、この人のライブの特徴だったと思うのですが、今回はちょっと趣が違う感じがしました。プレイの中に占めるファンクの濃度が高かったように思えたのです。いわゆる「ファンクネス」を迂回するようなプレイをこの人は目指しているのかな、とずっと思ってきたので、ちょっと意外な展開でした。

スティーリー・ダンの「ブラック・カウ」のカヴァーをやったり、最後の曲をスタンリー・タレンタインの曲で閉めたり(レス・マッキャンのピアノを数倍濃くしたようなアドリブでした)、というのも一因にはなっているでしょう。でも、なんと言うか、(ジャズに限らない)「黒人音楽」に対するリスペクトを、ここまであからさまに感じたケイ赤城のライブは初めてのように思えてならなかったのです。

・そのため、もちろんテンションの高い曲も幾つかあったのですが、ところどころでは曲に合わせて体を揺らすと心地良いような、そういうライブでした。

キース・ジャレット同様、ケイ赤城も演奏中に唸ったり椅子から腰を浮かしたりします。でも、キースだとそれらの行為が「それってタダのパフォーマンスちゃうんか?」と思ってしまうのですが、ケイ赤城の場合だとなんだか必然性があるように感じます。贔屓目?

・タッチは相変わらず、他に類を見ないほど強烈です。

・声質が姜尚中にそっくりだと昔から思っています。顔は知り合いの大学の先生(ってケイ赤城も大学の先生ですが)にそっくりなのですが。

・サインもらいました。