大先生の新譜

・我らが大先生、ポール・ウェラーの新作。


・ジャムやスタイル・カウンシルの頃のようなサウンドという前評判通りです。例えば「カモン/レッツ・ゴー」(すげえタイトル)のボーカル・スタイル。「Shouting at the top of voice Sing like fuckers Sing like you have no choice」という歌詞の、「 at the top of voice」とか「have no choice」の歌い方。ここに先生の信者はグッと来るだろう。ジャムの「ゴーイング・アンダーグランド」とかあのへんの歌い方のまんまだもん。


・ただまあ、全体としては気合が入り過ぎちゃっていて息苦しいという感じは、やや否めないか。大先生が熱い男であることを思えば致し方ないことではあるし、もともと適度に肩の力を抜く、ということができないお人なのです。力を抜こうとすると、今度は逆に「コンフェッション・オブ・ア・ポップ・グループ」のような珍品を作ってしまいかねないのである。適度な力の入れ方と抜き方ができたアルバムが『スタンリー・ロード』であって、で、それが大先生の最高峰であるというわけだが、今作はその『スタンリー・ロード』よりも『へヴィー・ソウル』に近いという感じですね。


・それにしても、スティーブ・ホワイトのドラムはどうしていつも、こうも音の粒々が際立っているのか。素晴らしい。


・ちなみに八曲目、「フロム・ザ・フロア・オブ・トップ」のイントロ。dipの「スラッジ」かと思いましたよ(笑)。



アズ・イズ・ナウ

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