U2

・U2『HOW TO DISMANTLE AN ATOMIC BOMB』買ったとです。


・しかし、U2って凄いよね。皮肉抜きで。『ヨシュア・トゥリー』を出した後には、ビートルズの「HELP!」をもの凄くしかめっ面で歌っていたりして(あれは軽快なロック・ビートに乗せてこそ、逆説的にアーティストの苦悩がリスナーへまっすぐと伝わる曲だと言うのに!)、マス・イメージと現実の自己像との桎梏にメチャクチャ悩んでいたみたいだったけど、そういう苦悩は完璧に消え去ったみたいだ。自分たちに対する確信が、出す音の全てに漲っているんだもの。


・これだけリスナーの趣味が細分化した現代だから、ビートルズやツエッペリンと並列にU2を見なすのは、根本的に間違いだと思う。でも、時代を自分たちの「音」で統合することの不可能性をしっかりと見据えた上で(じゃなきゃ、今さらこんな真っ当なギター・サウンドをかき鳴らすことはできなかったはずだ)、スタジアム級の観客席を満杯して、しかも堂々とした佇まいを誇らしげに見せることができるのは、もはやU2にしか出せない離れ業だろう。これは誰も否定の出来ないことだと思う。


・ジャズが中心の音楽生活になってしまったけど、僕にとってU2スプリングスティーンは、ロックがあって良かったな、と思わせてくれる数少ないアーティストだ。


プライマル・スクリームは・・・まあへらへらと頑張ってくれ(笑)。


How to Dismantle an Atomic Bomb

How to Dismantle an Atomic Bomb