今日は

・誰ともお話をしていません。宅急便の人と新聞屋とピザ屋さんと一言二言交わした位です。雨が降っています。さっき外に出たとき、風に秋の到来を感じ、僕の心は一瞬のうちに憂鬱な気分に覆われてしまいました。季節の変わり目というのは、新しく迎える季節に起きてきた様々な悲しい出来事を、心の中に一気に思い起こさせてくれます。それは、同じ蹉跌を踏むな、という誰かからの警告なのでしょうか。それとも、結局今年の秋もまた、お前は同じことを繰り返すしかないんだよ、という誰かからの嘲笑なのでしょうか。



・しかも今日は雨の匂い、という、オマケまで付いています。雨も様々な記憶を喚起します。とめどなく、ずるずると色々なことを思い出します。久しく思い出していなかったこと。もう振り返ってもどうしようもないこと・・・・。古酒を舐めるように、ある種の諦念のもとでそうした出来事を振りかえることができればよいのでしょうが、まだ僕は子供なのでしょう。今日は一日中、悔恨の情に打ちのめされていました。



・さっきも書いたように、今日は誰とも話していません。とても孤独です。でも夏は、孤独、という形で締めくくるべきものなのかもしれません。僕の今年の夏が、何の変哲もない、いつもと同じ退屈な夏であったとしても。それは秋を迎えるための、ささやかだけど大切な儀式のような気がしてならないのです。