ヤマジカズヒデ&灰野敬二@高円寺SHOW BOAT

■ライブ前にちょっと腹ごなしでも、と高円寺駅前の冨士そばでかき揚げそばを啜っていたら、杖を持った灰野敬二が現れて、鼻からそばを吹き出しそうになりましたよ(笑)。灰野さん、なめこうどん食っていました。うーん、さもありなんと言うか何と言うか。


■灰野さんって、これまで不失者とかを観てきたものだから、痙攣しながら轟音ギターをかます印象しかなかったもので、正直言うとヤマジカズヒデ先生との相性ってどうなんだろう?っていう心配があった。何と言うか、ギターのダイナミクスが相当に違うタイプの二人だよな、っていう。しかしこれは全くの杞憂でした。互いに相手を立てることで、ギタリストとしての引き出しの多さを二人が存分に発揮するという、デュオの理想型が展開されていたのでした。うん。本当に物凄いデュオだった。こんな相性が良いとは!定期的にライブやって欲しいぞ、これ。


■ヤマジの静謐なギターのアルペジオに乗っかる灰野さんの高音ヴォイスはあたかもシガー・ロスのようであり、その後はジム・オルーク加入直後のソニック・ユースのような展開があったり、裸のラリーズを思い出さずにはいられない展開があったりと、一時間強、二人は激しくギター弾きまくりで、決して轟音という程ではないにもかかわらず、サイケな音圧の強さに圧倒されまくりでございました。色んなアーティストの名前を出してみたけれど、もちろんこれは、オリジナリティの欠如という観点から今日のライブを貶めるために言ったわけではない。エクスペリメンタルな音楽に対する二人の理解と愛情の深さが、僕の耳にそのような形で届いた、ということなのだ。


■ベラさん、豊田道倫氏、ナカダッチさんなどの姿がありました。豊田道倫氏、間近で見たら、スキマスイッチのヴォーカルにどことなく似ているということに気付いた。あと、ナカダッチが面白いくらいに酔っ払っていた(笑)。